科学 2026.04.15
睡眠と経営判断——脳のクリーニングという労働
睡眠不足の経営判断は、血中アルコール濃度0.08%と同等の精度しかない。脳のクリーニング機構から、経営者の睡眠を経営リスクとして捉え直す。
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辞書項目(3)
約24時間周期で体内の生理機能を調節する内因性の時計機構。視床下部の視交叉上核を中心に、CLOCK・BMAL1・PER・CRYなどの時計遺伝子が転写・翻訳のフィードバックループで自律的に時間を刻む。2017年ノーベル生理学・医学賞の受賞対象となった。
記憶の固定化(memory consolidation)は、新たに獲得された情報が短期的な脆弱な状態から長期記憶へ移行し、神経回路に安定的に保持されるようになる過程を指す。シナプス水準の分子的固定と、海馬から新皮質へ記憶表象が徐々に移行するシステムレベル固定の二層で理解されている。
睡眠は単なる休息ではなく、記憶の固定化、情動の再調整、代謝老廃物の除去、シナプス強度の再編成など、脳にとって能動的な処理時間である。徐波睡眠とレム睡眠が異なる機能を担うこと、慢性的な睡眠不足が認知と判断を広範に損なうことが示されている。