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実存主義
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運命愛
ラテン語で「運命への愛」。ニーチェが『悦ばしき知識』(1882)で提唱した概念。起きたことをすべて否定も嘆きもせず、積極的に愛することで生の全体を引き受ける態度。永劫回帰と表裏をなし、「もう一度この人生を」と言えるほどの生の肯定を求める。
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神の死
フリードリヒ・ニーチェが1882年『悦ばしき知識』で定式化した概念。「神は死んだ」とは神学的命題ではなく、西洋文明が依拠してきた絶対的価値基盤——善悪・真理・目的論——の崩壊を指す。その後の空白をニヒリズムと呼び、ニーチェは超人による価値の創造をその処方箋とした。
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おそれとおののき
1843年、デンマークの哲学者ソーレン・キェルケゴールがヨハネス・デ・シレンティオの偽名で発表。旧約聖書のアブラハムによるイサク奉献を題材に、「倫理の目的論的停止」と「信仰の跳躍」を論じる。実存主義の源流となった著作であり、合理性では割り切れない決断と責任の本質を抉る。
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見えない人間
ラルフ・エリスン(1913-1994)が1952年に発表した長編小説。名前を持たない黒人青年が南部からニューヨークへ渡り、社会的不可視性と格闘する一人称の語りで構成される。「見えない」とは人種的偏見によって他者の意識から消去される状態を指す。1953年全米図書賞受賞。アフリカ系アメリカ文学の頂点として位置づけられる。
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シーシュポスの神話
1942年、アルベール・カミュが発表した哲学的エッセイ。ギリシャ神話のシーシュポス——永遠に岩を山頂へ押し上げるよう罰せられた人物——を主人公に、不条理という人間的条件を論じる。カミュはシーシュポスを「幸福な人間」と断言し、意味のない労働への反抗そのものを生の根拠とした。
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嘔吐
ジャン=ポール・サルトルが1938年に刊行した処女長編小説。歴史家ロカンタンが物の剥き出しの存在感に圧倒される「嘔吐」を通じて、「存在は本質に先立つ」という実存主義の根本命題を物語として形象化した。後の主著『存在と無』(1943)の哲学的展開を先取りする。
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ニヒリズム
道徳・真理・意味に客観的根拠はないとする思想的立場。語源はラテン語 nihil(無)。ニーチェが「神は死んだ」と宣言して近代の病理として体系化し、能動的ニヒリズム(価値の創造)と受動的ニヒリズム(虚脱)を区別した。
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地下室の手記
1864年、ドストエフスキーが発表した中編小説。主人公「地下室の男」が独白形式で語る意識過剰と自己分析は、合理的人間像への強烈な反証となった。ニーチェ・サルトルらに多大な影響を与え、実存主義文学の先駆けとして位置づけられる。
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ツァラトゥストラはかく語りき
フリードリヒ・ニーチェが1883〜85年に発表した散文詩形式の哲学書。「神は死んだ」と宣言したのち、人間が乗り越えるべき目標として「超人(ユーバーメンシュ)」を提示し、あらゆる瞬間の永遠の反復を引き受けよとする「永劫回帰」の思想を展開した。西洋近代哲学の転換点。
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存在の耐えられない軽さ
チェコ出身の作家ミラン・クンデラが1984年に発表した長編小説。プラハの春(1968年)を背景に、医師トマーシュと写真家テレザの愛を軸として「軽さ」と「重さ」の弁証法を展開する。ニーチェの永遠回帰を批判的に応用し、一度しか起きない出来事の意味を根底から問い直した20世紀文学の代表作。
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ゴドーを待ちながら
1953年パリ初演。ベケットがフランス語で書き英語に自訳した二幕劇。ヴラジーミルとエストラゴンがゴドーという人物を待つが、ゴドーは最後まで現れない。不条理演劇の代名詞であり、「何も起こらない、しかし二度」と評された。20世紀演劇の転換点として、存在・時間・行為の無根拠性を舞台に刻んだ。
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力への意志
フリードリヒ・ニーチェが1880年代の主要著作で展開した概念。あらゆる生命・人間に内在する根本的な衝動として、単なる権力欲や自己保存欲求を超え、「自己を乗り越えて成長し続ける意志」と定義される。誤読・誇大利用の歴史をたどりながら、現代の組織論・リーダーシップ論に接続できるフレームでもある。
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その男ゾルバ
1946年刊、ニコス・カザンザキス作。クレタ島を舞台に、思索過剰の語り手と束縛を笑い飛ばすアレクシス・ゾルバの出会いを描く。ゾルバは「考える前に動く」生の権化として20世紀文学を代表する人物像の一つとなった。1964年映画化(アンソニー・クイン主演)によって世界的に知られる。
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不条理
アルベール・カミュ(1913-1960)が哲学的エッセイ『シーシュポスの神話』(1942)で定式化した概念。不条理(absurde)は世界の中にあるものでも人間の中にあるものでもなく、『意味と統一を求める人間の叫び』と『理不尽な沈黙を返す世界』との対峙から生まれる関係だと論じた。このとき『自殺すべきか』が哲学の唯一の真に重大な問題となる。カミュの答えは自殺でも飛躍(宗教)でもなく、不条理を引き受けて『反抗』しつつ生きること。岩を山頂へ運び続けるシーシュポスを『幸福だと想像しなければならない』。
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存在と時間
マルティン・ハイデガー(1889-1976)が1927年に刊行した20世紀哲学の最重要著作の一つ。『存在とは何か』という古代からの問いを、『人間存在(現存在)』の分析を通じて再構成。『死への存在』『不安』『世人(das Man)』などの概念で、我々が日常に埋没して本来の生を忘れる構造を暴いた。実存主義、現象学、現代思想の水脈を決定づけた未完の大著。
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実存は本質に先立つ
ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)が1946年の講演『実存主義はヒューマニズムである』で宣言した実存主義の中心命題。紙切りナイフのような道具は『切る』という本質が先に決まってから作られるが、人間はまず存在し、後から自らの行為によって自分が何者かを決める。自由と責任が不可分であることを示し、戦後世代の思想的指針となった。
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死に至る病
セーレン・キルケゴール(1813-1855)が1849年に刊行した『死に至る病』は、実存主義の先駆とされる小著。『死に至る病とは絶望である』という冒頭で、自己を自己自身に対して関係づける『精神』としての人間を分析した。絶望は弱さ(自分自身でありたくない絶望)と強さ(自分自身でありたい絶望)の両形態があり、いずれも自己からの逃避である、と説く。