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フランス文学
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危険な関係
ピエール・ショデルロ・ド・ラクロが1782年に発表した書簡体小説。旧体制フランスの貴族社会を舞台に、メルトゥイユ侯爵夫人とヴァルモン子爵という二人の策士が性的征服を武器に互いを操り合う。快楽の道具として他者を支配しようとする者が最終的に自滅する構造は、権力・信頼・評判をめぐる普遍的な問いを提起する。
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シーシュポスの神話
1942年、アルベール・カミュが発表した哲学的エッセイ。ギリシャ神話のシーシュポス——永遠に岩を山頂へ押し上げるよう罰せられた人物——を主人公に、不条理という人間的条件を論じる。カミュはシーシュポスを「幸福な人間」と断言し、意味のない労働への反抗そのものを生の根拠とした。
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嘔吐
ジャン=ポール・サルトルが1938年に刊行した処女長編小説。歴史家ロカンタンが物の剥き出しの存在感に圧倒される「嘔吐」を通じて、「存在は本質に先立つ」という実存主義の根本命題を物語として形象化した。後の主著『存在と無』(1943)の哲学的展開を先取りする。
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赤と黒
1830年、スタンダール(本名アンリ・ベール)が発表した長編小説。副題は『19世紀年代記』。製材業者の息子ジュリアン・ソレルが野心と偽装を武器に社会上昇を図り、断頭台に散る。赤は軍人、黒は聖職者を象徴するとも言われるが解釈は多様。心理描写の精密さと社会批評の鋭さで写実主義文学の先駆となった。