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生物学
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細胞説
1838-1839年、植物学者マティアス・シュライデンと動物学者テオドール・シュワンが提唱した、すべての生物は細胞からなるという理論。後にルドルフ・ウィルヒョウが『すべての細胞は細胞から生じる』を加え、生物の統一性と連続性を示した。近代生物学・病理学・発生学の出発点である。
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CRISPR-Cas9
2012年、ジェニファー・ダウドナとエマニュエル・シャルパンティエが実用化したゲノム編集技術。細菌の獲得免疫機構CRISPRと核酸切断酵素Cas9を用い、任意のDNA配列を精密に切断・編集できる。医療・農業・生命科学を変革し、2020年に両者にノーベル化学賞が授与された。倫理的課題も同時に問われている。
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ダーウィン進化論
19世紀、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』(1859)で提示した進化の理論。変異と遺伝、生存競争、自然選択により、種は時間をかけて変化するとした。創造論的生物観を覆し、生物学の統一理論となるとともに、人間を自然の一部として相対化し、近代思想全体に巨大な衝撃を与えた。
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DNA二重らせん
1953年4月、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックが『ネイチャー』誌で発表したDNAの二重らせん構造モデル。ロザリンド・フランクリンのX線回折像を手がかりとし、AT・GC塩基対の相補的結合による遺伝情報の複製メカニズムを示唆した。以後の分子生物学とバイオテクノロジーの基軸となった。
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創発
下位要素の性質からは予測できない新しい性質や振る舞いが、要素の相互作用から全体レベルに現れる現象。意識、生命、社会、経済、生態系、人工知能など多領域にわたる現象を貫く概念。還元主義への補完視点として19世紀末に提唱され、複雑系科学・システム生物学・社会科学の基礎概念となった。
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ヒトゲノム計画
1990年に米国主導で開始され、日米英独仏中の国際コンソーシアムと民間セレラ社の競争を経て、2003年4月に完了が宣言されたヒトゲノム配列決定計画。約30億塩基対を読み、ポストゲノム医学の基盤を築いた。公的データの無償公開原則(バミューダ原則)が科学共同作業の新モデルとなった。
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メンデル遺伝学
オーストリアの修道士グレゴール・メンデルが1865年に発表したエンドウマメの交配実験に基づく遺伝の法則。優性の法則、分離の法則、独立の法則の3つを定式化した。当時はほぼ無視されたが、1900年に3人の研究者が独立に再発見し、以後の遺伝学・分子生物学の基礎となった。
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種の起源
1859年11月、チャールズ・ダーウィンが刊行した『自然選択による種の起源、すなわち生存競争における有利な品種の保存について』。自然選択による進化のメカニズムを論証し、生物多様性の起源を自然的原因で説明した。初版1250部が発売日に完売し、以後の科学と思想史を根底から変えた。
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生命の起源とRNAワールド
生命の起源は、約40億年前の原始地球で無機物から有機分子が合成され、それらが自己複製する分子システムを形成した過程である。RNAワールド仮説は、DNA以前にRNAが遺伝情報保持と触媒機能の両方を担ったとする。自己複製・代謝・膜という三要素の共進化から、最初の細胞(LUCA)が出現した。