芸術 2026.03.31
浮世絵が世界を動かした——江戸の量産美術が開いた越境戦略
江戸の大衆量産美術は、梱包紙として渡欧して印象派を生んだ。日本コンテンツが世界を動かした最初の物語に、現代の越境戦略が学ぶもの。
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17世紀末に墨摺絵から始まり、1765年の鈴木春信による多色刷り『錦絵』完成で黄金期に入った江戸の大衆版画。版元・絵師・彫師・摺師の分業により、美人画・役者絵・名所絵・春画・武者絵が安価に量産され、都市町人の視覚文化を形成した。19世紀にはジャポニスムを通じて印象派に衝撃を与えた。
江戸・八代洲河岸生まれの浮世絵師。定火消し同心の家に生まれ、歌川豊広に入門。『東海道五十三次』(1833-34)で全国的名声を得た後、『名所江戸百景』(1856-58)まで、叙情的で抒情的な風景版画を描き続けた。ゴッホが油彩で模写した事でも知られ、近代絵画に大きな影響を残した。
江戸本所生まれの浮世絵師。90歳で没するまで30以上の画号を用い、美人画・役者絵から読本挿絵・肉筆画・絵手本『北斎漫画』・風景版画まで全ジャンルを制覇した。70代の『富嶽三十六景』(1831-34)は風景版画という新ジャンルを確立し、『神奈川沖浪裏』は世界で最も知られる日本の図像となった。