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概要
上座部仏教(じょうざぶぶっきょう、Theravāda Buddhism)は、釈迦滅後の初期仏教の流れを色濃く保持する系統。かつて大乗側から 「小乗仏教」 と呼ばれたが、差別的含意があるため現在は学術的に「上座部」「南方仏教」と呼ぶ。
パーリ語で記された三蔵(経・律・論)を聖典とし、釈迦の言葉の直接の保存を重視する。
上座部の特徴
- パーリ語聖典の保持 — 現存する最古の仏教文献群
- 厳格な戒律 — 比丘(男性出家者)は 227 戒を守る
- 個人の解脱を重視 — 阿羅漢(修行を完成した聖者)を目標とする
- 瞑想実践の発達 — ヴィパッサナー(洞察瞑想)が現代マインドフルネスの源流
- 在家者は出家者への布施を通じて徳を積む
分布:スリランカ、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジアが主要圏。
現代への示唆
上座部仏教は、原点主義・手続き重視・個人の修養という性格を持ち、現代の組織論にも通じる視点を提供する。
- 原典(創業の理念・一次資料)の厳密な継承 — 時代の変化の中で核を失わない
- 規律の力 — 自由度の追求だけではなく、型を守ることで生まれる集中力・質
- 個人の完成度を積み重ねる — 組織的理想よりも、一人ひとりの修養の総体として組織を捉える
また、ヴィパッサナー瞑想はジョン・カバット=ジン博士らによる マインドフルネス療法(MBSR) の源流となり、Google や Intel などの企業研修にも採用されている。上座部の実践的技術は現代の経営文脈でも生き続けている。
関連する概念
[大乗仏教]( / articles / mahayana) / 阿羅漢 / ヴィパッサナー / マインドフルネス / パーリ語聖典
参考
- 原典: パーリ三蔵(ティピタカ)
- 研究: 片山一良『パーリ仏典の世界』大蔵出版、2008